南インド

イスラム文化の影響をあまり受けることなく、古代からのドラヴィタ文化の世界が続いてきた南インド。 日本の歌舞伎によく似たカタカリ・ダンスや、カルナータカ音楽は、まさにその代表例。 生命力に圧倒されるインドにおいて、 のんびりと穏やかな脱力ムードの南インドは、また違った意味で魅力的だ。

チェンナイ

都会のくせして、なんだかどこかお人好しっぽい。それがマドラスの魅力だ。 その顔と同様に、看板のタミル語の文字まで丸っこい。 マドラスも、イギリス植民地として発展した都市で、教科書で毎度おなじみの東インド会社が置かれたのもここだ。

マドラス港に出入りする商船相手に作られた町ジョージ・タウンには、陶器・金物・布製品などなど商品ごとのバザールが、ずらりと連なっている。静かなパンテオン・ロードには、州立博物館、国立美術館、カネマラ図書館、そして古典舞踏や音楽会などの催しがあるミュージアム・シアターなど、インド文化にふれるのにもってこいの場所がそろっている。 アディヤール川の長い橋を渡ったところには、緑豊かな学園都市といった風情の新市街がひらけている。 ここには、タイのスネーク・パークにひけをとらない、キング・コブラやワニを集めたヘビ園もある。 観光にあきたら、マドラス市民の憩いの浜マリーナ・ビーチへ。美しいインド女性がサリー姿のまま、しどけなく海水浴をしているのが見られる。それもまた、旅の忘れられない風景になるに違いないのだ。 チェンナイを旅行先に含むはツアー例はこちら。

バンガロール

庭園都市とよばれるバンガロールは、宇宙研究所や地域開発研究所などもあり、マドラスと並ぶ南インドの中心都市。 町中は、きっちり整然としていて、あまりインドらしくない。女性達も、サリーよりジーンズの方がお好みのようだ。

気候は高原のため、インド人でさえ「暑くて死ぬ!」という南インドにあって、すごしやすい所だ。 もちろん寺院など見どころもある。が、「インドのシリコンバレー」とも呼ばれるこの町のショップで、インド・オリジナルの怪しげなゲームソフトを探すのも楽しい。

また、バンガロールから車で4時間のプッタパルティには、あのサイババ様がいる。

マイソール

小さな王宮都市マイソールは気候もよく、避暑客や、盛大なダシェーラー祭りめあてのツーリストで賑わっている。 マイソールに来たら絶対見逃せないのが、マハーラジャ・パレス。インドで一、二を争う藩王の宮殿だっただけに、インドのド金持ちのぜいたく三昧ぶりには「参った」の一言。

外側全体には5万個の電球がつけられていて、日曜・祝日の夜に点灯される。そのときには、電灯に群がる虫のごとくたくさんの人々が集まり、屋台まで出る始末。

郊外のジャイナ教聖地シュラヴァナベルゴーラには、ジャイナ教のご本尊ゴーマテーシュワラ像が、すっ裸で男らしく直立している。 この方は、17メートルという長身に加え、12年ごとに牛乳、バター、ヨーグルト、白檀などを浴びせる儀式があるため、お肌もスベスベ。ご立派なだけでなく、美しいのだ。

コーチン

アラビア海に面し、海のシルクロードの中心地として栄えてきた港町コーチン。 ケララ州はどこでも魚が新鮮なのだが、コーチンの魚入りカレーは別格においしいらしい。 入り江の多いこの地のご当地自慢になっているのが、中国式漁法を取り入れたチャイニーズ・フィッシング・ネット。天秤バランスで、網を海中に沈めたり太い丸太で引き上げたりする仕掛けが海岸沿いにズラリと並び、海の男達がワッセワッセとロープを引張っている。

ヴァスコ・ダ・ガマの墓がある聖フランシスコ教会、ユダヤ教会シナゴーグや古い洋館など、西洋文化の目立つコーチンだが、インドの歌舞伎カタカリ・ダンスのメッカでもある。 コーチンを旅行先に含むはツアー例はこちら。

マドゥライ

インドの中には「お寺で食ってます!」という町がかなり多いが、ここのマドゥライもそのひとつだ。 そのシンボルと言えるのが、ミーナークシ寺院。魚の目を持つ女神ミーナークシと、その夫シヴァ、そして二人の息子、エレファント・ヘッドのガネーシャなどを祀っているヒンドゥー教寺院だ。市内のどこからでも見える高い塔門ゴブラムは、いい目印になる。

ここのハイライト・シーンは千本柱の広間。ヒマにまかせて、本当に千本あるか数えてみよう。 市の東端にある人造池マーリアンマンは、毎年2~3月に行われるテッパムの祭りで賑わいを見せる マドゥライを旅行先に含むはツアー例はこちら。.

カニャークマリとトリヴァンドラム

インド大陸の最南端、そこはカニャークマリ。 正面にインド洋、左にベンガル湾、右にアラビア海と、3つの海がブレンドされた、ヒンドゥー教大聖地なのだ。 ここにはヴァラナシのような喧噪は無く、時がひたすらゆっくりと流れている。 沐浴はもちろん海で。祈るというより泳ぐという感じだ。

南インド最高といわれるコヴァーラム・ビーチも、インドエステ「アビヤンガ」の本場であるトリヴァンドラムも、バスで楽勝の距離だ。 海辺ですっかり脱力し、オイルマッサージでピカピカ&リラックスしてしまったら、日本の生活に復帰するのがつらくなってしまうほど。 トリヴァンドラムとコーチンの間のバックウォーターと呼ばれるエリアでは、青々と茂る椰子の間の水路をのんびりと巡る船の旅も楽しめる。 トリヴァンドラムを旅行先に含むはツアー例はこちら/p>