15世紀

ブッダがかつて他の街を訪れた際、美しいマーガンディヤーを娘を持つ父親が、ブッダに還俗してマーガンディヤーを娶ってほしいと願った。

しかしブッダは、「この世ならざる女にも心は動かなかった私が、どうして汚い血と大小便を詰めたこの女を必要とするだろうか」と答えた。 両親はこの言葉によって真意を悟って出家したが、マーガンディヤーの心には届かなかった。

彼女は美しさを武器に、コーサンビの王ウダヤナの王妃となって、コーサンビの首都ヴァンサに住んでいた。 そして、かつての屈辱と恨みを忘れなかったマーガンディヤーは、ブッダがコーサンビの街に滞在していたとき、街の悪者を買収し、ブッダの悪口を広めさせたのである。

ブッダの弟子たちは、街に入って托鉢しても何も得られず、ただそしりの声を聞くのみであった。

アーナンダがブッダにこう言った。
「世尊よ、このような街に滞在することはありません。他にもっとよい街があると思います」 「アーナンダよ、次の街もこのようであったらどうするのか」 「世尊よ、また他の街へ移ります」 「アーナンダよ、それではどこまで行ってもきりがない。私はそしりを受けたときにはじっとそれに耐え、そしりの終わるのを待ってから、よそへ移るのがよいと思う」 やがて、コーサンビにもブッダを信じる人々が増え、そしりはいつしか消えていた。

コーサンビの首都ヴァンサはブッダの人生で重要な場所である。

ブッダの生涯で最初に建てられたアショーカの柱や巨大の古代城壁の跡は、貴重な遺跡として現存している。

アラハバード(コーサンビの中心的な街)にはアラハバード博物館がある。そこにはコーサンビ、ヒンズー教徒、仏教徒、彫刻など、数々の歴史的に貴重な展示品が収められていて、専門家にはたまらない場所だという。

ヤムナ河とガンジス河が交差する場所は、行者たちがブッダが行った礼拝を当時と同じ時刻に行う修行の場となっている。